イヤーカフの起源について調べてみました
「イヤーカフ といえばフミヤ。」
先日イヤーカフをご購入していただいたお客様のSNSで見かけた一文。
ちょっと気になったので検索してみると、チェッカーズ時代の藤井フミヤ氏が耳のサイドに着用している画像が出てきました。
そして、チェッカーズのファンクラブ「Cute Beat Club」の5周年を記念してのプレゼントがイヤーカフだったとか。
デザインもフミヤが着けてる画像のものとほぼ同じデザインで、メルカリで見つけたので思わず買ってしまいました。
AROM. では5〜6年前くらいからイヤーカフをつくっています。
当時、ミラノファッションウィーク中、イヤーカフをつけているファッショニスタたちをたくさん見かけたことからつくり始めてみたのがはじめのきっかけです。
その頃はまだそこまで国内では出回っていなかったので、POP UPの時、まずはイヤーカフとは何か、という説明からするような状況でした。
でも、実は30年以上前に、イヤーカフの代名詞がチェッカーズだったとは。
チェッカーズ世代ではありますが、とはいえ小学生の頃だったので、そんなことまでは全然知りませんでした。
フミヤ以前のイヤーカフの歴史が気になったのでちょっと調べてみました。
紀元前2000年の昔からあったイヤーカフ
初めてイヤーカフが登場したのが紀元前2000年のギリシャだそうです。
当初は「Kaffa」と呼ばれ耳の付け根全体に引っ掛けるタイプでした。
耳全体につけるので重さの負担が少ないという利点を生かし、大きくてドラマティックなデザインのものが多かったようです。
ミラノでもこのタイプをつけていた人もけっこう見かけたので、試作でこのタイプをつくったこともあります。 耳への装着面が多いため着けてる感が強く、結局試作で終わってしまったのではありますが。
そして18世紀のヨーロッパではフローラルモチーフを起用しフェミニンかつゴージャスなものでした。
素材にはダイアモンド、サファイアといった貴石と貴金属を用い、貴族たちの富を表すアイテムのひとつでした。
KaffaからEarriteへ
20世紀に入り1920年初頭にアメリカに移住したフランス人ジュエラーの Marcel Boucher がアメリカのエリート女性たちのニーズに応えて「Earrite」というアイテムをつくります。
Earriteは、Kaffaのように耳全体に引っ掛けるタイプですが、耳たぶの位置でクリップで留めるようになっています。
1950年代にEarriteはファッショニスタやソーシャライツの間で大流行しました。当時人気だったリサ・バロン、マリリン・モンローといった女優がつけている写真も残っています。
そして現代のイヤーカフのカタチへ
20年後、Earriteは過去のものとなり、新しく強さと反抗の象徴としてイヤーカフを愛用する傾向になってきます。
80年代には、ポップとパンクのミックスカルチャーの中、ジャン・ポール・ゴルチェなどのファッションデザイナーのランウェイにも登場し始めます。
90年代、イヤーカフはシルバーアクセサリーとして、シンプルなデザインだったり、チェーンやスタッズモチーフをつけたりとしてリデザインされたものが大流行しました。
チェッカーズのイヤーカフもちょうどこの頃のものだと思われます。
現代では、シンプルなものからKaffaのようなものやEarriteのようなものまで色々なデザインが出ていますが、
昨今のマスク生活の中では、耳のサイドにつける小ぶりなデザインのものがマスクの着脱時に引っかかりにくい、と好まれる方が多いです。
フミヤのイヤーカフをきっかけにイヤーカフの起源を調べてみると興味深い発見がたくさんありました。
人は4000年もの間耳に色々とぶら下げているなんて、なんとも驚きです。
* 資料画像はSophie's Closetさんからお借りしました