シルバー925ってなに?
AROM. のジュエリーはシルバー925製のものがメインとなっています。
シルバー925って何ですか?
というご質問をいただくことがあります。
この地球上には様々な金属が存在します。
その中でもジュエリー用としての貴金属と定められているのが、
金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)の4種類の金属になります。
貴金属の定義は、
“化合物を作りにくく希少性のある金属の総称”.
とウィキペディアにはあります。
英語で貴金属のことを “Precious metal” というように、希少的な金属とされています。
その中のひとつであるシルバーは、貴金属の中では安価なものではありますが、
古代ギリシャやローマ文明時代から金貨や銀貨として用いられていたことからもわかるように貨幣価値もある金属です。
シルバーは白い輝きがとても美しく加工にも優れているので、ジュエリーとしてもよく用いられる金属のひとつではあります。 しかし、問題なのが非常に柔らかい金属だということ。 そのまま100%シルバーの状態でジュエリーをつくると形がすぐに変形してしまう恐れがあります。
そのため銅を少しだけ加えた合金にすることで硬度を高くするようにしたのがシルバー925と呼ばれるものです。 925というのは純度のパーセンテージを表していて、92.5%が純銀ということです。
残りの7.5%が銅で、この合金を英語ではスターリングシルバーとも呼びます。 この割合が現在シルバージュエリーで最も多く用いられている配合となっています。
そしてシルバー925の合金を使用したジュエリーには、925やSV925、sterling といった刻印がジュエリーのどこかに入っています。
またイタリアをはじめとするヨーロッパの各国では、この刻印とプラスして、国から発行されたブランド固有の番号を押すことが義務付けられています。
これは、製品の純度を保証するという意味合いのもので、万が一純度に偽りがあった場合は厳しく罰せられるのです。
ヨーロッパでは貴金属のジュエリーの存在がそれだけ貨幣や資産としての価値があり、悪いことに利用する人もいる、ということなのでありましょう。
話は少し変わりますが、私はミラノで彫金を学びました。
なので、イタリアでのジュエリー制作の工程が基本になっています。
日本に戻り、まずものすごくびっくりしたのが、すでに加工されたシルバー925製の丸線や板などをジュエリー用の資材屋さんで購入ができるということでした。
イタリアでは、笹吹きと呼ばれる純銀の粒のようなものに銅の粒を混ぜ、バーナーを使って溶かします。
溶けたどろどろの合金液を型に流し込み、冷えてできた塊を少しづつローラーで伸ばしたり引いたりして丸線や板にします。
このとき自分で分量を計算して純銀と銅を配合するので、何度も測って間違いないように気をつけないといけません。
特にゴールドは一度に溶かす量が少ないので誤差が出やすく、成分的に問題にならないように少しだけ純金を多めに入れるなどをしていました。
また、少しだけででも資材が途中足りなくなったりした時の絶望感。
溶かしてインゴットを作るところからしないといけないので、必要な太さや厚みのものを用意するのにかなりの時間と手間がかかるのです。
それがすでに加工された状態で入手できることの便利さにものすごーくびっくりしたのでありました。
日本て本当にあらゆる面で便利だな、と実感。
シルバーをはじめジュエリーに使用する素材に関しては地金の純度が問題で○○産が価値が高いなどはありません。
よく「某エルメスと同じレザーを使用しています」などと謳っている革製品ブランドさんがいらっしゃいます。
シルバー925(スターリングシルバー)を使用しているジュエリーブランド(もちろんAROM.も)はティファニーやエルメスと同じシルバーを使用している、といっても過言ではないかと思うのであります。